地理的表示制度との比較

皆さんこんにちは。
今月14日に甲州市原産地呼称ワイン認証制度に基づくセミナーを山梨県外に在住する20名の皆様にお集まりいただくなか開催しました。
ご参加いただいた皆様はワインに造詣が深い方が多く、当日解説いただきました講師の方々に対しては勿論、私ども事務局に対しても専門的なご質問を幾つか頂戴しました。
私どもが進めている制度を消費者の皆様に説明する際、地理的表示「山梨」とよく比較されますが、今回のセミナーにおいてもその違いを問う質問が寄せられました。
寄せられる質問のその多くは、出自の確認方法や位置付け等ですが、注釈すると本市の原産地呼称制度は「自己申告制」ではないという事です。拘束力の面では地理的表示「山梨」と比べ弱い印象は否めませんが、ひとつのワインが出来上がるまでの生産過程を透明化させる点では誇示できるものと考えています。
産地、品種、栽培・醸造法等々に由来する多様性が日本ワインの魅力となっており、法制化にあたっては、日本ワインの特徴でもあるその多様性を失わせないよう配慮が必要。栽培法や醸造法を厳しく規制したりすることは、数千年に渡るワインづくりの伝統ある国々では可能であっても、歴史の浅い日本では時期尚早であり、日本ワインの魅力を失わせる恐れが危惧される。と諸外国のワイン法に精通されている明治学院大の蛯原教授も話しています。
「何処のブドウで造られたのか」といったシンプルで消費者にとってもわかりやすい制度が大切です。日本ワインが発展していくために今後必要な法制度は何か。またその中で甲州市として何ができるか?益々考えるようになっています。