山梨県内主要エリアの2015年の生産状況についてエリア毎にまとめたレポをお届けします。
■JAフルーツ山梨勝沼ブロック管内
萌芽以降、開花時期に天候に恵まれたこともあり全体的に実付きは良い。7月上旬は長雨に悩まされ、日照不足。一転中盤以降は35度前後の気温が高い日が続く。
長雨により病果が心配されたが、目立った被害は出ていない。一部日焼けが見られる。
生育の前進化。(前年と比較し3~5日程度)例年にない豊作。房が大きく、玉張りが良い。
8月半ばまでは高温乾燥。下旬からは一転気温が低い日が続き、早くも秋雨前線の影響を受ける。「暑」「寒」の極端な天候が2015年の特徴ではないか。
本格的な収穫期となる9月に入っても定期的に降雨があり、特に8、9日には台風18号の影響もあり2日間で119mmの降雨が記録されている。
7月~9月の降水量の推移(勝沼観測所)
7月/250㎜
8月/110㎜
9月/206㎜
9月下旬から勝沼エリアでは甲州種の本格的な収穫が始まる。
畑によって成熟度にバラツキが見られ、収穫のタイミング(糖・酸のバランス)を見極めるのが難しい年。糖度の乗りが全体的に悪い傾向が伺える。収穫期のピークは10月2日~12日。
系統出荷予定量451tに対し実績は約500t。
7月下旬開催の甲州市ぶどう・ワイン産地確立会議において最終的には2割増との見方が強かったが概ねその通りの結果に。
糖度については、前半(10月15日迄)は平均で15.5度。後半(10月15日以降)は16度超。後半酸度の低下とともに晩腐病が発生している園も見られた。糖度については前年と比べ約1度低い傾向。
甲州種を栽培する農家が笠掛けを徹底すれば数字が掴める上、ワイナリー側としても仕込み計画を立てやすくなる。病気を防ぐ効果と糖度上昇が期待できる。
JA側の尽力によりブドウが余剰することはなかった。