こんにちは。
今日は先日販売された、「甲州」推奨系統3種についてご紹介したいと思います。
少し前の話題となってしまいましたが、12月中旬に山梨県果樹試験場にて研究されていた「甲州」の苗木が県内ワイナリーや農家へ販売されました。
「甲州」種は長い栽培の歴史を持ち、日本の主要な醸造用ブドウでありながら、これまで日本には公的機関が試験や認証をして、特徴(系統)を特定された「甲州種」の苗木が存在していませんでした。(「あの畑はなんとなくこんな特徴があるかも?」という程度でした。)
そこで山梨県は11年の歳月をかけて試験栽培を行い、優良な品質を示した3種類を選抜しました。
今後長い年月が必要となりますが、安全で特徴のはっきりした甲州種の苗木が普及していくことで、ワイン醸造家にとって、スタイルなどワイン造りに生かせる指標が増えることになります。
今後の甲州ワインの発展が楽しみです。
推奨系統3種類の特徴は以下のとおりです。(酒販ニュース第2003号より抜粋)
・KW01 「フレッシュタイプ。柑橘類・エステル系の甘い香り。酸を由来とする骨格。中程度の強さ。甘さを連想させる香りが特徴的」(柑橘系の香り成分(3MH)の前駆体が多い。樹勢が強く摘芯回数多め。)
・KW05 「凝縮タイプ。桃、焼リンゴの甘い香りが特徴。ポリフェノール含有が多く、骨格がしっかりしている。」(3つの中で樹勢が落ち着いている。粒が粗着気味。房小さめ。糖度が毎年高く、酸の落ちが比較的早い。)
・KW02 「多収性タイプ。ブドウの房が大きい。香りはおとなしめ。柑橘類・エステル系の甘い香り。柔らかな印象。」(柑橘系の香り成分(3MH)の前駆体が最も多い。酸の保ちがよく、晩熟。摘芯回数多め。)