甲州市におけるワイン振興の取り組みについて

平成27年度も早いもので3ヶ月が過ぎました。4月からワイン振興室として3人体制で業務にあたっていますが、本日は今我々が進めている、或いは今後進めていく主要な施策を皆様にオープンにします。

一つ目は、「甲州市ワイン原料用ブドウ栽培農業経営モデルの策定」です。
甲州種ブドウの醸造仕向け量は年々減少し、ワイナリーは必要とする量の確保がままならない状況下となっており、原料ブドウを調達する際、量と価格のバランスの維持を図ることが困難となっています。地場産業を巡る状況や課題に対する今後の方向性とその実現のため、ブドウ生産者がワイン用ブドウ(特に甲州種)の栽培で生計を成り立たせることが可能なモデル構築を目指し、10名の有識者からなる委員会を仕込みが一段落する11月1日施行により設置し、討議を始めていきます。
また併せて、勝沼ワイン協会の組織のなかに40代が中心となる専門部会を設置し、同時進行でこの施策を考えていきます。
今は会議資料として示すために耕作放棄農地の洗い出しと色塗りを進めています。

二つ目は、「甲州市原産地呼称ワイン認証制度」、「地理的表示制度「山梨」」の今後を見据えた展開についてです。
前者は自主的な制度。後者は排他的な制度です。私どもの制度は原料ブドウの出自を明らかにする事に力点を置き制度運用を進めていますが、自主的(任意)な制度である以上、普遍的な広がりは難しく、山梨県全体のなかの産地の位置付けを明示していく必要があるものと今改めて認識するようになっています
一案として考えられるのが、地理的表示制度「山梨」をヒエラルキーの底辺にした制度の確立です。現時点で抽象的な感は否めませんが、同じく勝沼ワイン協会専門部会、関係者からの広聴から方途を定めていくこととしたいと考えています。

最後三つ目は、市内飲食店を中心とするワイン普及促進事業の展開です。
市内飲食店において県産ワインを扱うお店が1件でも増えるための取り組みです。ワインが重要な産業となっている本市。地域住民のためにワインの魅了や文化を伝えていくための内需強化を図っていこうとするものです。この部分については、(一社)ワインツーリズムに協力依頼し、ワインに関心を持っていただくためのセミナー開催やワインを置きたいお店に対する供給プラン作成や独自のPOP提案などです。
これらは一朝一夕に解決できるはずがありません。中長期的な視点でこの1年はここまでと年度で目標を決め進めていくことが大切です。

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